第58回北海道地区大学図書館職員研究集会

はじめてーのー出張。海の見える電車にゴトンゴトン揺られて、蝉しぐれの坂を登って小樽商科大学へ。(北海道地区大学図書館協議会ってHPないのかな?http://www.daitoken.com/pickup/ulaj.htm

プログラムは講演ひとつ+事例報告5つに、図書館とアクティブラーニング教室を自由見学させていただきました。

感想などをつらつらと。。。

トサケン代表、仁上 幸治さんの講演
「生き残りたい図書館員は味方を増やすー情報リテラシー教育への直接貢献を核とするブランディング戦略」

今回1番楽しみにしていたもの。CA1728を読んでくることが事前課題でした。

CA1728 - 研究文献レビュー:図書館の「広報」は進化しているか?―説明責任と自己アピールの時代に求められる理論と実践― / 仁上幸治 | カレントアウェアネス・ポータル

事前アンケートもあって、講演の大半はその結果紹介。
このアンケートのそもそもの回答率が50%
図書館の学内認知度はどうだと思うか→微妙以下が50%以上
学内での期待度はどうか→微妙以下が50%以上
専門職としての期待度はどうか→微妙以下が50%以上
etctec
わぁ。厳しい。

すべての資料は電子でいい、蔵書はいらない、それが利便性の最大値、と求める人だっているそうだから、利用者との物理的な距離はどんどん開いていくだろう。そしたらこのアンケートの数字は、ますます低くなってしまうんじゃなかろうか。便利な非来館型サービスの拡充と、リアルなフィードバック。双方向な仕組みは、どうしたら両立できるんだろう。来館者減はなぜだめなの、図書館員の減員はなぜだめなの、色々突き詰めて考え始めたらきりがないけど。
この仕事が好きで、働くのが楽しい。
ただそれだけの動機で、自分の生存本能に従って、居場所を守ろうとしたっていいじゃないか、と開き直りたくなりました。そのためには中に籠ってばかりじゃいけないんだろう。

個人的には、事前アンケートの「図書館広報の本読んでいますか」で詰まった。
広報担当になったとき、参考にしていたのは完全に異分野の話でありました・・・。
ちなみにこれとか。

www.amazon.co.jp

認知度の低い、得体の知れない新サービスのよさを、見えない利用者に伝えなきゃいけない点は図書館もネット生保も似ていると思ったので。ライフネット生命保険は今も時々HPを参考にしている。

ライフネット生命保険 - 人生に、大切なことを、わかりやすく。


自分のダメさに苦笑い炸裂な講演だったけど、この講演から始まるからこそ午後の事例をシビアに見られる気がした。

お昼に商大図書館とアクティブラーニング教室を見せていただく。
驚くのはデジタルサイネージの多さ。次のバスの時間とか、YahooNewsとか出ていて、図書館からのニュースもそこに出ている、という感じ。館内にもいくつもあるし、入り口の外にも。柱を囲む円形の書架や、背の低い新着図書の棚など、書店のようなレイアウトのきれいさでした。そしてカウンターがラーニングフロアに面していて、すごく距離が近そうな。カップルシートがあるのも私はすきでした。青春の香り。
アクティブラーニング教室は、教室の前後にスクリーンがある教室があって、使い方が想像つかなかった。商大の方に伺おうと思っていて失念。無念。

●午後の事例報告1「小樽商大の改修とクラスライブラリアンの取り組み」小樽商科大学
2013.10~2014.2に改修工事をしていて、その間も臨時カウンターを置いての研究図書の貸し出しや、ILL・図書購入など対応していたそう。学芸大に見学に伺った時も改修工事中で、そういうときこそサービスの底力が試される気がしたのを思い出した。改修後、入館者数は1.7倍に。教職員が本の紹介をするトリポン読書会とか、催しもたくさん。

商大で特徴的なのが、クラスライブラリアンの制度。各学年に1人ずつ図書館職員がつき、卒業まで担当するというもの。約500人を、1人で。職員側のリテラシー教育スキルのばらつきや、振り返りの時間のなさを課題にあげつつ、とにかく学生さんとface to faceになりたいのです!と仰っていました。

●事例報告2「学生協働や図書館サポーターとの連携について」北海道大学
こちらは資料があるので省略。https://sites.google.com/site/since20141203/home/7

●事例報告3「PCロッカーの設置・運用について」室蘭工業大学
2014年からの運用し始めた、ノートPCロッカーの紹介。時間制限もなく貸しているそう。
つい最近異動してらした方が急きょ発表なさったとのことで、大変そうでした。

●事例報告4「座席利用カード運用についてー旭川医大のマナー対策ー」旭川医科大学
医系図書館の24時間開館の運用の難しさ。学生の巣作り(笑)をどう防いだらいいのか。
旭医大では座席利用カードを座席利用時に各席のぽっけに差し込んでもらい、見回り時にカードなし→荷物撤去、カードあり→見つけた時間から1時間後もそのままなら荷物撤去、3回撤去で1週間無人開館時間の利用停止、としていたそう。大学全体のコストカット方針もあり、今は8月~2月のみ申請制で24時間利用可に戻っているとのこと。

かつて北大医学部図書室でも登録制24時間開館にしていたけれど、学生の健康に悪いというのが一番の理由にあがって、24時間開館は中止されたそう。今は夜10時閉館、朝5時開館に変更になっている。
24時間ってたまにきくけど、みんなよくそんな頑張れるな…。もう頑張ってるからおやすみよ、お肌にも悪いよ…と思ってしまう。頑張る学生の背中を押したい気持ちと半々の老婆心。

●事例報告5「電子書籍を活かした新しいサービス:連携作り」札幌市中央図書館
ボーンデジタル資料が出てきているなかで、それを求められたとき、図書館として提供できないのはどうなのか、というところからスタートした電子書籍の貸し出しサービス。地道にコンテンツを拡大して、図書館が電子化のノウハウを持つ、という図式がもっと定着すれば。


”図書館が、「本の館」であるだけでは維持はむずかしい。でも、行政(教育)組織の一つでもあるし、地域の多くの人たちに親しまれ、期待されてもいる。だとすると、「役に立つ」「あってよかった」この事例を積み上げていくことが必要ではないでしょうか。"

組織の中での図書館の立場も職員の心の中も含めて、現場を象徴するようなお言葉で〆てくださいました。